子どもの歯並びの問題は、永久歯が生えてきてから対処すれば良いと考えている方も多いのではないでしょうか。
確かに、本格的な小児矯正を始めるのは混合歯列期に入ってからですが、歯の発育や歯並びの土台作りは、離乳食の段階からきちんと考える必要があります。なぜなら、離乳食の食べさせ方が歯並びや発音に影響を与えることがあるからです。
そこで今回は、離乳食の食べさせ方や与え方がなぜ歯並び・発音に与えるのか、また離乳食の始める適切なタイミングや食べさせ方について、五泉市駅前の浅井歯科医院がわかりやすく解説をします。
目次
▼離乳食の食べさせ方で歯並びが悪くなる理由
はじめに、赤ちゃんは食べることに慣れていない点に着目する必要があります。
赤ちゃんは離乳食を食べ始めるまでミルクを飲むという行為しか行っていないため、保護者の方の食べ物の与え方が間違っていると、それをそのまま受け入れてしまうのです。
そこで注意が必要なのが、スプーンに乗せた離乳食をお口の奥まで入れてしまう食べさせ方です。その与え方だと、離乳食がこぼれにくく、赤ちゃんも飲み込みやすくなりますが、低位舌(ていいぜつ)になりやすくなる点に注意しなければなりません。
低位舌とは、文字通り舌が低い位置に固定されるもので、上顎歯列への圧力が乏しくなります。その結果、上顎歯列が狭くなったり、上の顎の発育を遅らせたりするのです。歯並びが悪くなると、発音にも悪影響が及びます。
本来、私たちの舌はお口の天井部分にあたる口蓋(こうがい)にタッチしているのが正常な状態で、低位舌は歯並びや骨格の発育を悪くする悪習癖であることを理解しておきましょう。
そうした誤った離乳食の与え方による歯並び・発音への影響は、比較的簡単な方法で予防できます。
具体的には、まず離乳食をスプーンに乗せた時点で赤ちゃんにしっかりと見せてあげてください。その上でスプーンをゆっくりと下唇まで運んでいき、これから食べ物がお口の中に入っていくことを意識させましょう。
▼離乳食を始める適切なタイミングは?
離乳食は、始めるタイミングがとても重要となります。一般的には、生後5~6ヵ月くらいからスタートしますが、これはあくまで目安です。
赤ちゃんの発育は個人差が大きいため、個々のケースで離乳食を始める適切なタイミングも変わってきます。そこで当院では、以下の3つのポイントを「離乳食を始める適切な時期」として、保護者の方にご説明しております。
【ポイント1】食べ物を自力で飲み込める
これは離乳食を始めるタイミングを見極める上で、最も重要なポイントといえます。ミルクを飲んでいる時期は、舌を前に出す行為が習慣化していますが、逆に舌を引っ込めて食べ物をお口の奥へと運ぶことができれば、離乳食も自力で飲み込めるでしょう。
【ポイント2】首がすわって正しい姿勢が取れる
食べ物をきちんと飲み込むためには、正しい姿勢が取れている必要があります。その際、指標となるのが「首がすわってまっすぐとした姿勢が取れること」です。この姿勢が取れていない場合は、離乳食を始めるタイミングとしてはまだ早い可能性があります。
【ポイント3】自分の意志で物を掴めて運べる
食事は、自分の意志で食べ物を掴み、口元へと運ぶことが一連の動作となります。普段、お子さんが遊んでいる時に、おもちゃなどを掴んで、自分の意志で別の場所へと運んだり、動かしたりできているかを観察してみましょう。それが行えるのであれば、離乳食を始める準備もできているといえます。
▼離乳食の正しい与え方
離乳食は、以下の3つのポイントを意識して与えるようにしましょう。
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離乳食を乗せたスプーンを見せる
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スプーンを下唇に当てる
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自分の意志で口に含ませる
この3つのポイントを意識するだけでも、離乳食の与え方によるトラブルを防ぎやすくなります。さらに、以下の4つのポイントに留意することで、お子さんの食事による歯並び・発音への悪影響を予防しやすくなります。
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足が付いた状態で食事をする
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よく噛んで食べる(1口15回のそしゃくが理想)
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左右均等に噛む
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栄養バランスの良い献立を考える
これらは離乳食に限ったことではなく、その後のお子さんの食事についても共通していることです。お子さんの食習慣について悩んでいることがあったり、専門家の意見を聞いてみたいという場合は、管理栄養士の資格を有したスタッフが在籍している五泉市駅前の浅井歯科医院までご相談ください。
▼まとめ
今回は、離乳食の食べさせ方が歯並び・発育に与える影響について、五泉市駅前の浅井歯科医院が解説しました。
間違った方法で離乳食を与えると、低位舌を招いて歯列を狭めたり、顎の骨の発育を遅らせたりするため、十分な注意が必要です。
子どもの歯並びの土台作りや発音機能の獲得などは、離乳食の段階から始まっているのです。お子さんの健やかな発育・成長のためには、正しい方法で離乳食を食べさせることを心掛けましょう。