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お口の豆知識 TRIVIA

子どものいびき・うまく噛めない…口腔機能発達不全症を放置するとどうなる?


お子さんに、お口がポカンと開いている状態や、いびき、食べ物をうまく噛めないなどの症状が目立つ場合は「口腔機能発達不全症」という病気が疑われます。


一般的な感染症や腫瘍性疾患のような痛みや腫れなどのわかりやすい症状を引き起こすものではないのですが、放置すると深刻な異常を引き起こしかねないため十分な注意が必要です。


今回はそんな口腔機能発達不全症の症状と放置した場合のリスクについて、五泉市駅前の浅井歯科医院が詳しく解説をします。


▼口腔機能発達不全症の症状について


口腔機能発達不全症では、次に挙げるような症状が見られます。


  • お口ポカン

  • 食事の時に食べこぼしが多い

  • 食べ物をうまく噛めない

  • 食べ物を飲み込む時に舌を出す

  • 食事の時間が長い

  • 周りの子どもよりも発音や滑舌が悪い

  • 就寝中にいびきをかいている


これらはお口周りの筋肉や顎の骨の発達が遅れていたり、悪い癖があったりすることで誘発されます。特に指しゃぶりや舌を前に突き出す癖、口で呼吸する習慣などがある場合は、要注意です。


▼口腔機能発達不全症を放置するとどうなる?


冒頭でも述べた通り、口腔機能発達不全症は急性症状が現れる病気ではないことから、軽視されたり、そもそも気づかない場合も多いです。そうした中で口腔機能発達不全症を放置すると、次に挙げるリスクが生じます。


【リスク1】口呼吸で感染症リスクが高まる

口呼吸(お口ポカン)は、口腔内および咽頭や喉頭の乾燥を誘発するため、細菌やウイルスが侵入しやすくなります。


同時に、唾液による自浄作用や殺菌作用、緩衝作用なども低下することから、歯周病やむし歯、ひいては風邪に代表される全身の感染症の発症リスクが高くなります。これは小さなお子さんにとって大きなリスクなので、そのままにするのは注意が必要です。


【リスク2】言語の学習が妨げられる

幼児期から学童期にかけては、正しく発音することを学ぶ重要な時期です。この時期に口腔機能発達不全症の影響で発音・滑舌に障害が出ると、その後も影響が残り続ける可能性があります。


発音や滑舌が悪いことは、お子さんのコンプレックスになるだけでなく、社会生活を営む上でも支障をきたすことが多いため、成長期にしっかりと対策することが大切です。


【リスク3】十分な栄養がとれなくなる

噛む力が正常に発育しないと、食べ物をしっかりそしゃくできなくなります。その結果、胃腸に負担がかかってお腹を壊しやすくなることに加え、栄養素を十分に摂取できなくなるので、全身の健康および発育にさらなる悪影響をもたらすリスクが生じます。


【リスク4】歯並びが悪くなる

お口ポカンは、口腔周囲筋が弛緩している状態なので、歯列と顎の骨に適切な圧力が加わりません。


また、低位舌(ていいぜつ)という舌が低い位置で固定されてしまうことから、上顎の歯列が狭くなり、上顎骨の成長も遅れるという症状を誘発しやすくなっているのです。


この2つの症状が現れると、通常はU字型の歯並びがV字になることによる乱ぐい歯や出っ歯、上顎骨の劣成長による下顎前突などの歯並びが問題となることがあります。


こうした悪い歯並びの背景には、多くのケースで口腔機能発達不全症が潜んでいるのです。


【リスク5】顔の形がいびつになる

口腔機能が正常だと、歯並び・噛み合わせ・顎の骨の発育も正常に進み、左右対称の健やかな顔立ちとなります。一方、口腔機能発達不全症が見られるお子さんには、顔立ちが左右非対称になったり、部分的なゆがみが現れたりします。


【リスク6】睡眠時無呼吸症候群を発症する

子どもに頻繁ないびきが認められるのは、口呼吸や鼻づまり、舌根沈下(ぜっこんちんか)などが原因であることが多いです。子どものいびきというのは、単にうるさいだけでなく、睡眠の質を低下さるとともに、全身の発育を妨げることにもつながるため、十分な注意が必要といえます。


深刻なケースでは、睡眠時無呼吸症候群を発症することもあります。睡眠時無呼吸症候群とは、眠っている時に呼吸が停止する病気で、一般的には肥満の中高年がかかる病気というイメージが強いですが、口腔機能発達不全症に伴って、小さな子ども発症することがあります。


この点は保護者の方が普段からしっかり観察して、その疑いがある場合は、適切な医療機関を受診しなければなりません。


▼まとめ


今回は、口腔機能発達不全症を放置するとどうなるのかについて、五泉市駅前の浅井歯科医院が解説しました。


食べる・飲み込む・しゃべる・呼吸する機能の発達が遅れる口腔機能発達不全症は、放置すると歯周病やむし歯にかかりやすい、歯並びが悪くなる、顔立ちがゆがむ、睡眠時無呼吸症候群を発症するなど、たくさんのリスクが発生するため、保護者の方はお子さんの様子をしっかり確認することが大切です。


口腔機能発達不全症は、歯科医院で適切な治療やトレーニングを受けることで改善が見込める病気ですので、お子さんに気になる症状がある場合はお気軽に当院までご相談ください。

浅井歯科医院
歯科医師
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