子どもの食べるときの姿勢には、十分配慮する必要があります。なぜなら食べるときの姿勢によって、子どもの歯並びに悪影響が及ぶことがあるからです。
大人とは異なり、子どもは体が小さく、椅子の座り方やテーブルとの向き合い方に配慮してあげなければ、正しい姿勢で食事ができません。
そこで今回は、子どもの食事中の姿勢が歯並びに与える影響や理想的な姿勢、セルフチェックのポイントなどを五泉市駅前の浅井歯科医院がわかりやすく解説をします。お子さんの食べるときの姿勢に不安がある方はこのコラムを参考にしてみてください。
目次
■子どもの食事中の姿勢が歯並びに与える影響
子どもの食事中の姿勢と歯並びとの関連について考える上では、まず「舌」の役割を確認しておく必要があります。舌は、食べ物の味を感じたり、飲み込む動作の主体となったりする大切な器官で、歯並びとも深い関連があります。
例えば、舌を前方に突き出して低位に置く「乳児型嚥下(にゅうじがたえんげ)」をしていると、口呼吸や低位舌(ていいぜつ)が誘発されて、上顎の歯列が狭くなりがちです。
また、前歯に対して口唇から圧力も加わらないことから、出っ歯の症状も出やすくなります。さらには、お口周りの筋肉が鍛えられず、顎骨の発育も遅れることから、歯をきれいに並べるためのスペースも不足してしまうのです。
本来、こうした乳児型嚥下は1歳を過ぎる頃から成熟型嚥下へと移行しなければならないのですが、食事のときの子どもの姿勢が悪いと、いつまでも舌を出して飲み込む癖が残ってしまう場合があるのです。
これを異常嚥下癖(いじょうえんげへき)と呼び、歯並びや骨格の発育異常を防ぐためにも早期に改善する必要があります。
ちなみに、舌というのは筋肉の塊であり、首や胸、背中の筋肉とも連動しています。つまり、猫背などの悪い姿勢で食事をしていると、舌も上手に使えず歯並びへと悪影響を及ぼしてしまいます。こうした背景から、子どもの食べるときの姿勢には保護者の方が十分配慮しなければならないのです。
■子どもの食事中の理想的な姿勢について
次に、子どもがご飯を食べるときの理想的な姿勢について解説します。
【ポイント1】足は床や足台にしっかりつける
子どもがご飯を食べるときにまず意識しなければならないのは、足の位置です。足が床から浮いた状態でブラブラさせていると、食べ物をしっかりと噛むことがでません。
その結果、お口周りの筋肉や骨格の発育に影響が出ることから、足は床や足台などにしっかりとつけるようにしましょう。これは子どもの食事中の基本となる姿勢です。
【ポイント2】背筋をピンと伸ばす
猫背の姿勢では、顎が前方に出るため、食べ物を噛んだり、飲み込んだりする動作に支障をきたす場合があります。ストレートネックや肩こりの原因にもなることから、食事中はもちろん、普段の生活でも背筋をピンと伸ばすよう心がけましょう。
私たちの体の構造を考えた場合、座骨が垂直的に立っている状態が体への負担も最小限に抑えられます。
【ポイント3】テーブルと座面の高さを合わせる
背筋をピンと伸ばして座った時に、腰と膝の角度が直角になるように座面を合わせてください。肘を直角に曲げた際に、テーブルと同じ高さになるのが理想です。テーブルと体の間にはこぶしが1個入るくらいが適切です。
また、イスの背もたれには傾斜がない方が理想的な姿勢を維持しやすくなります。
■お子さんの姿勢をチェックする方法
最後に、子どもの食べるときの姿勢を簡単に確認できるチェックリストを紹介します。いずれかのポイントに当てはまる場合は、今日からでも改善していきましょう。
【チェックリスト】
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足の裏全体が床や足台についているか
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背筋がピンと伸びているか
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腰や膝の角度が90度になっているか
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前かがみや猫背になっていないか
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顎を出して食事をしていないか
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背もたれに寄りかかっていないか
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椅子とテーブルの高さは合っているか
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食器は手の届く位置にあるか
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食べ物をしっかり噛めているか
このように、子どもが食べるときの姿勢には、チェックするポイントがたくさんあるため、始めは保護者の方も戸惑うかと思います。
また、どのようにチェックしたら良いのかよくわからないというポイントもあるもしれませんので、子どもの食事中の理想的な姿勢に関心のある方は、いつでもお気軽に五泉市駅前の浅井歯科医院までご相談ください。当院は、食育にも力を入れている歯医者さんです。
■まとめ
今回は、子どもが食べるときの姿勢と歯並びに与える影響について解説しました。姿勢が悪いとなぜ歯並びが悪くなるのか、その仕組みを正しく理解することはとても重要です。
小さい頃から食べるときの正しい姿勢を意識することで、お子さんの歯並びや噛み合わせ、ひいては全身の発育にも良い影響がもたらされます。