矯正治療は大人になってからでも受けられます。歯並びの乱れを整える「歯列矯正」は、30代はもちろんのこと、40~50代で始めても決して遅くはありません。そのため、成長や発育の問題を抱えやすい小児期にわざわざ矯正する必要はないように感じますよね。しかし、実際には小児期に「小児矯正」をした方が良い結果が得られやすいとされています。そこで、今回はそんな小児矯正を受けるべき理由について、五泉市駅前の浅井歯科医院が詳しく解説をします。
▼そもそも小児矯正とは?
小児矯正とは、文字通り子どもが受ける矯正治療です。小児矯正はⅠ期治療とⅡ期治療の2つに分けられ、それぞれ対象年齢と目的が異なります。
◎Ⅰ期治療の対象年齢と目的
小児矯正のⅠ期治療は、永久歯をきれいに並べるための土台作りが主な目的です。対象年齢は6~12歳くらいで、乳歯と永久歯が混在する混合歯列期に行うのが一般的です。ただし、ケースによっては3~5歳くらいから矯正を開始する場合もあります。
◎Ⅱ期治療の対象年齢と目的
小児矯正のⅡ期治療は、永久歯列をきれいに並べることが目的です。一般的に対象年齢は12歳以降で、永久歯列が完成し、顎の骨の発育が終わりに向かっている必要があります。Ⅱ期治療では、マウスピース型の矯正装置やマルチブラケット装置を使用して歯列を矯正するため、基本的には大人になってからでも始められます。
▼矯正を始めるタイミングが重要なのは「Ⅰ期治療」
小児矯正で始めるタイミングが重要なのは、Ⅰ期治療です。Ⅰ期治療の対象年齢を6~12歳くらいとお伝えしましたが、実際はお子さんの歯の生え変わりや顎の発育状況によって、開始時期は異なります。そのため、小児矯正はお子さんの歯並びや噛み合わせ、顎の発育に関する問題が見られた時点で相談を受けるのが良いでしょう。例えば、3~4歳の時期でも決して早すぎるとは限りません。
▼小児矯正のⅠ期治療を受けるメリット
小児矯正のⅠ期治療を受けると、次のようなメリットが得られます。
【メリット1】顎の骨の発育を正常化できる
悪い歯並びや噛み合わせには、顎の骨格的な問題を伴うケースがほとんどです。例えば、出っ歯や受け口、乱ぐい歯などは、顎の骨が標準よりも小さかったり、上下のバランスが悪かったりする場合に起こりやすいです。これらの骨格的な問題を大人になってから改善する場合は、顎骨を削る外科的な矯正が必要になることがあります。成長期に行う小児矯正なら、顎骨の発育を正常に促せるため、悪い歯並びや噛み合わせの問題を根本から自然な形で解消できます。これが「小児矯正を受けるべき理由」といわれる最大の理由です。
【メリット2】抜歯の必要性が低くなる
小児矯正で顎の骨の幅、広さ、長さなどを正常化できれば、Ⅱ期治療で抜歯をする必要性が低下します。健康な永久歯を抜かずに歯並びをきれいに整えることができることは、患者さんにとって極めて大きなメリットとなります。
【メリット3】Ⅱ期治療の期間を短縮できる
Ⅰ期治療が成功すれば、しっかりとした土台が形成され、永久歯をきれいに並べやすくなります。その結果、Ⅱ期治療で行う処置が減り、治療期間も大幅に短縮できることでしょう。お子さんの口腔状態よっては、Ⅱ期治療自体が不要になることもあります。
【メリット4】顔立ちが健やかになる
上下の顎が正常に発育すると、顔立ちも健やかになります。左右対称で歪みのない顔貌となり、笑顔も美しくなることでしょう。
【メリット5】むし歯や歯周病のリスクが減る
Ⅰ期治療によって歯並びや噛み合わせが整い、顎の大きさも正常になることで、歯磨きしやすい環境が構築されます。その結果、磨き残しが減り、むし歯や歯周病になるリスクが低減します。子どもは大人よりもむし歯になりやすいため、そのリスクを大幅に減らすことは口内環境を健康に保つ上でも有益です。
【メリット6】悪習癖を取り除ける
小児矯正では、歯並びを悪くする原因となる悪習癖も改善できます。具体的には、指しゃぶりや口呼吸、舌を前に突き出す癖などを適切な装置の使用やトレーニングを通じて改善します。こうした悪習癖を早期に改善できるのは、小児矯正の大きなメリットの一つといえます。
▼まとめ
今回は、小児矯正をした方が良いといわれる理由について、五泉市駅前の浅井歯科医院が解説しました。小児矯正のⅠ期治療では、顎の骨の発育を正常化できるため、自然な方法で出っ歯や乱ぐい歯、受け口などを改善できます。その結果、Ⅱ期治療の期間が短くなったり、抜歯が不要になることがあり、多くのメリットが得られます。成長期のお子さんの歯並びに不安がある場合は、いつでもお気軽に当院までご相談ください。まずは小児矯正が必要かどうかを判断いたします。