子どもの歯並びは、遺伝だけで決まるものではありません。日常的な習慣や癖が歯並びを悪化させることもあるため、親御さんは十分にご注意ください。今回は、そんな子どもの歯並びを悪くする習慣や癖について、五泉市駅前の浅井歯科医院がわかりやすく解説します。
目次
▼悪い歯並びの原因について
まず、悪い歯並びの根本的な原因について解説します。悪い歯並びは、先天的な要因と後天的な要因の2つに大きく分けられます。
◎先天的な要因
歯並びが悪くなる先天的な要因は、「遺伝」です。私たちの歯の大きさや顎の骨の形などは遺伝子によってある程度決められています。例えば、親族に下顎前突が多い家系では、自ずと下顎前突の子どもが生まれやすくなるものです。こうした先天的な要因は、生まれる前から決まっているものなので、個人の努力で変えることは難しいです。
◎後天的な要因
歯並びが悪くなる後天的な要因は、習慣や癖が該当します。これらの習慣や癖は無意識に行っていることが多く、お子さん自身が自覚することは難しいため、親御さんがしっかり観察し、時には改善を促すことが重要です。歯並びを悪くする習慣については、後段で詳しく解説します。
▼子どもの歯並びを悪くする8つの習慣
子どもの歯並びは、以下に挙げる8つの習慣によって悪くなることがあります。
【習慣1】指しゃぶり
指しゃぶりは、多くのお子さんが持つ自然な癖ですが、長期間続けると噛み合わせや歯並びに悪影響を及ぼす可能性があります。特に、前歯が出っ歯になったり、上下の前歯が合わなくなったりすることがあります。そのため、指しゃぶりは早めに対策を講じることが重要です。
【習慣2】口呼吸
口呼吸は、鼻呼吸に比べて口内が乾燥しやすく、むし歯や歯周病のリスクを高めます。また、舌の位置が変わり、歯並びに影響を与えることもあります。口呼吸を改善するためには、原因を特定し、適切な治療を受けることが大切です。
【習慣3】舌を前に出す癖
舌を前に出す癖があると、前歯が外に押し出されて出っ歯になることがあります。この癖を持つお子さんには、歯科医師による早期の指導が必要です。舌の位置を正しく保つ練習を行うことが効果的です。
【習慣4】唇や爪を噛む癖
唇や爪を噛む癖は、前歯に不均一な力を加え、歯並びに悪影響を及ぼすことがあります。特に、前歯が曲がったり、ずれたりする原因になります。親御さんは、お子さんのこのような癖を見つけたら、早めに対策を講じましょう。
【習慣5】片方の歯だけで噛む癖
片方の歯だけで噛む癖があると、顔の左右の筋肉のバランスが崩れ、歯並びに影響を与えることがあります。噛み合わせのバランスが崩れると、顎関節にも負担がかかります。食事の際には、両方の歯を均等に使うように意識することが大切です。
【習慣6】やわらかいものばかり食べている
やわらかい食べ物ばかり食べると、顎の筋肉が十分に発達せず、歯並びに影響を与えることがあります。噛む力が弱くなると、歯が正しい位置に移動しづらくなります。固めの食べ物を適度に取り入れることが、顎の発達にとって重要です。
【習慣7】うつ伏せ寝・横向き寝
うつ伏せ寝や横向き寝は、顔の骨格や歯並びに影響を与えることがあります。特に、顔の片側に圧力がかかると、歯並びが変わることがあります。寝る姿勢を改善するためには、親御さんが定期的にチェックし、適切な寝具を選ぶことが大切です。
【習慣8】頬杖をつく癖
頬杖をつく癖は、顎に不均一な圧力をかけるため、歯並びや顎の成長に悪影響を与えることがあります。この癖を持つお子さんには、姿勢の改善や適切な指導が必要です。日常生活の中で、無意識に頬杖をつかないように意識させましょう。
▼子どもの悪習慣を見つけたら
上述した習慣は、基本的にお子さんの歯並びや噛み合わせ、顎の発育に悪影響を及ぼすため、適切な方法で改善する必要があります。まずは親御さんが言葉で説明することから始め、それでも改善が難しいような場合は、お口の専門家である歯医者さんに相談しましょう。実は、歯医者さんでは子どもの口腔習癖を治療によって改善することができます。特別な矯正器具を使うこともありますが、MFT(口腔筋機能療法)というトレーニングだけで、口呼吸や食べ物の噛み方などを改善できるケースも珍しくありませんので、まずはお気軽にご相談ください。
▼まとめ
今回は、子どもの歯並びを悪くする習慣について、五泉市駅前の浅井歯科医院が解説しました。指しゃぶりや口呼吸、舌を前に突き出す癖など、一見すると無害にも見える習慣が子どもの歯並びを悪くすることがありますので、親御さんはそれらを見逃さないようしっかり見守ってあげてください。悪習慣によってすでに歯並びが悪くなっている場合でも、小児矯正を行うと同時に、指しゃぶりや口呼吸を改善していく必要があります。